今回は、作曲家の榊山大亮先生にインタビューを行ってきました。
先生には1stCD集録曲含む多くの大正琴作品を依頼しています。数々の素晴らしい作品を残しておられ、いわば大正琴作品のパイオニア的存在です。
CD収録作品の解説や先行情報など、貴重なお話を伺うことができました。

小田桐「今日はよろしくお願いします。早速ですが大正琴という楽器はこれまでご存知でしたでしょうか?」

榊山「よろしくお願いします。楽器の名称や存在は知っていましたが、具体的な、例えばトレモロ奏法に種類があるなどの奏法については知りませんでしたね。」

小「作曲家の目線から見た大正琴の可能性についてどのようにお考えですか?」

榊「音域が広いわけでもなく、幅広い音が出るわけではないですが、楽器の持つ固有の音が非常に魅力的です。また、未開のジャンルであるので特殊奏法であったり、新しい表現などの未開の可能性があると思っています。」

小「1stCD集録曲『雨のための詩』についてどのような表現を行いましたか?」

榊「フランス的な和声を中心に、抒情的なメロディで作りました。大正琴が持つ音の質感は非常に日本的でウェットな音でほの暗く、これまでこれらの性質は古賀メロディなど中心に積み重ねられてきました。これとは異なったアプローチの仕方を考えたとき、日本とフランスの雨の表現は、例えばドビュッシーなどを見ると非常に似通った部分があるので、それに寄せて書いて言った次第です。」

小「同じく集録曲『トッカータヴァリエーション』はどのような表現を行いましたか?」

榊「これは委嘱要綱の中に、大正琴におけるヴィルトオーゾ(名人芸)といったものが含まれていたので、ヴィルトオーゾということを考えるとやはりヴァイオリンの名手で作曲家のパガニーニとなります。そして弦楽器という共通点からパガニーニのヴァリエーション(変奏曲)をやってみたらどうなるんだろうということで、従来の大正琴の演奏の方式やありようを完全に無視して作りました。名人芸がストレートに発揮できる曲にはなったのではないかと思います。」

小「現在委嘱中の新曲について、マル秘情報を教えてください。」

榊「大正琴という楽器を一つの楽器としてみたときに、先ほどの名人芸を要求する曲や、交響曲やソナタといった純文学的な音楽があります。名人芸は書いたので、もう一つ書くならソナタということで、現在構想中です。晦渋で重い内容のものになると思いますが、大正琴のソナタというものを完成させてみたいなと思っているところです。」


榊山大亮
1978年東京生まれ
幼い時は音楽のおの字を聞くだけで泣き出す純朴な子供だったが、母の影響で突如音楽に目覚め、小学校高学年で無謀にも人生の道を決めてしまい、見様見真似で作曲の真似事を始める。
中学からはご多分にもれず吹奏楽にのめり込み、学指揮をやって祭り上げられいい気になって桐朋学園大学音楽学部に進むも、自分が天才でないことを痛感させられ演奏の道から作曲に転向、世相に乗せられドサ回りを開始するも厳しい現実を知る。
ぼちぼち仕事する中で、何故か実業家と仕事をすることになり、会社の経営からイベント企画、機械の整備までこなすようになりつつ、ポップスにも進出し、業界の裏側から多数のアーティストのゴーストや楽曲提供をすることになり、これまでに数千曲の楽曲に何らかの形で携わっている。これまでに打楽器を佐野恭一、安江佐和子、理論を斎木隆、ピアノを小宮隆子、小森谷泉の各氏に師事、作曲はほぼ独学ながら、佐藤亘弘などの薫陶をうけ活動している。
本名での活動の他、ポップスではGODWOOD、月食などの名義でも多くの仕事をしているらしい。
気がつけば何でも屋を地で行く酒好きの中年である。

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